こんにちは!前回はN4の試験対策を紹介させて頂きました。
本日はN3に合格するための基準や例題をまとめたいと思います。
【N3の基準】
日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができることです。
漢字は600程度で語彙数は3000程度あれば合格できると言われています。
N3レベルの試験に合格するには、2つの基準をクリアする必要があります。
①試験の総合得点が合格点を超えている
②試験科目ごとの得点が基準点を超えている
N3レベルの試験は180点満点で合格点は95点です。
N3の場合は「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」「聴解」の区分で、それぞれ基準点が設けられています。
①言語知識(文字・語彙・文法)・読解⇒基準点:19点(60点満点)
②聴解⇒基準点:19点(60点満点)
③読解⇒基準点:19点(60点満点)
どれか1つでも基準を満たしていないと不合格になるので、苦手分野がある方は重点的に対策することをおすすめします。
【漢字と語彙について】
N5やN4は「漢字単体」を覚えていれば、ある程度の問題はクリアが出来ました。
ただし、N3以上はそうはいきません。大切になってくるのは「読み方」「意味」です。N3は「漢字」と共に「語彙」が必要になってきます。
漢字も語彙も両方とも理解していないと文法問題も読解問題も解けないからです。N3では漢字語彙、抽象語彙(社会・経済・環境など)が増えてきます。
例えば「ご飯⇔食べる」「傘⇔差す」。S(主語)に対してV(動詞)の漢字はどれを使うかどんな語彙が当てはまるか、が必要になってきます。
漢字を覚えるときは、その漢字を使った言葉を一緒に覚えるようにしましょう。漢字と言葉を一緒に覚えることで、語彙の知識が増え、語彙対策にもなります。
【読解について】
そして次に壁にぶち当たるのが「読解」です。
読解は苦手という学習者は少なくありません。実際、「読解」の点が低くて合格できない人が多いと言われています。
この記事を見てくださってる日本人の方は英語の授業やテストを思い出してください。所謂「長文問題」が「読解」です。単語だけ覚えても読めませんでしたよね。つまりそういうことです。
読解は限られた時間内にいくつもの文章を読み、問いに答えなければなりません。
まずは短くてもいいので「文章を読む」練習をしてください。
対策問題集から短めの文章を選ぶでも良し。新聞や雑誌を読むでも良し。図書館に行って自分が読めるひとつ上のレベルくらいの本を借りて読むでも良し。とにかく文章に慣れましょう。
読む中で自分が漢字に弱いのか、はたまた文法に弱いのか、はたまた語彙に弱いのか、自分の苦手を知ることが出来ます。
文章を読むことに慣れてきたら、辞書を使わずに読む練習をしてください。
辞書を使わないで意味を推測しましょう。もしかしたらその前後にヒントとなる文章があるかもしれません。漢字から推測できるかもしれません。
まずは自分で「この文章はこういう意味ではないか」と仮定してから、そのあとに辞書を引きましょう。なぜ正解なのか、なぜ間違えなのかまで毎回考える癖をつけましょう。
言語知識【文字・語彙】の例
問題1 山本さんは遠くから学校に通っている。
①どおく ②とうく ③とおく ④どうく
問題2 この機械はせいじょうに動いています。
①世情 ②正情 ③正常 ④世常
問題3 昨日から熱 ねつ が出て、体の( )が悪い。
①調子 ②気分 ③都合 ④体質
問題4 ことばの使い方として最もよいものを1・2・3・4から一つ えらんでください。
落ち着く
①せっかくもらったスカートだが、クローゼットにずっと落ち着いている。
②地震のときは落ち着いて行動しましょう。
③バスが駅に落ち着いてから、私からご連絡します。
④お土産は家に落ち着いてから、開けましょう。
【読解】の例
つぎの文章を読んで、質問に答えなさい。答えは、最もよいものを一つえらびなさい。
海外旅行をするときの一般的な方法には、ガイドと一緒の「パック旅行」があるが、フリーツアー(※1)というものもある。
パック旅行は、目的地までの往復(おうふく)の交通や宿泊、観光などがパッケージ(※2)になっているので、その名がある。すべてが決められているので、大変便利だが、団体行動(だんたいこうどう)をしなければならない。もっとゆっくり見たいなと思うような場所でも、決められたスケジュールにしばられる。
その点、フリーツアーは往復(おうふく)の交通手段と宿泊先(しゅくはくさき)が決められているだけで、それ以外は、自由 = フリーだ。目的地での行動を自由に決めて、移動に必要な鉄道やバスなどの切符もいっしょに申し込むことができる。ただ、フリーツアーでも注意しなければならない点がある。一度ツアー料金を払ってしまったら、往復の飛行機やホテルは変えられないし、キャンセルする場合は、出発日の3週間も前からキャンセル料を取られてしまう。自分なりの計画をきちんと立てて、自由な旅を楽しもう。
(※1)ツアー:旅行のこと
(※2)パッケージ:関係あるものを一つにまとめたもの
ガイドと一緒(いっしょ)の「パック旅行」のいい点はどんなところだと言っていますか?
①交通手段、宿泊先(しゅくはくさき)、予定などを自分で決めなくてもいいこと
②他の旅行客と一緒(いっしょ)に見て回れるので、友人が作れること
③ガイドが一緒(いっしょ)に行ってくれるので、くわしい説明が聞けること
④ゆっくり見たいときには時間をのばしてゆっくり見られること
N3レベルの漢字例
漢字と一緒に使用するシーンまで覚えるようにしてください。
①呼 読み方:よ、こ 例:大きな声で呼ぶ
②座 読み方:すわ、ざ 例:彼の隣に座る
③治 読み方:おさめ、なお、じ、ち 例:病気を治す。国を治める。
④解 読み方:と、ほど、わか、カイ、ゲ 例:問題を解く。解答を求める。
⑤泳 読み方:およ、エイ 例:海で泳ぐ。
⑥渡 読み方:わた、と 例:廊下を渡る。
⑦静 読み方:しず、せい、じょう 例:図書館は静かにしなければならない。
⑧選 読み方:えら、せん 例:プレゼントを選ぶ。
⑨浮 読み方:う、む、ふ
例:雲は空に浮いている。彼から浮いた話を聞いたことがない。
⑩程 読み方:ほど、てい
例:今日のパーティーは300人程度の来客があった。
問題例に挑戦しよう | 日本語能力試験 JLPTでは、レベル別に過去問を掲載しています。N3レベル以外の問題も解いてみたい方は、ぜひチャレンジしてみましょう!